自分を大きく見せるために

自分を大きく見せるために有効なのは、自分より権威や地位のある人に噛み付いて見せることだと聞いたことがある。

20年近く前にカネボウと資生堂がTVCMで張り合ってた時期があって、これはカネボウ側が敢えて仕掛けてたそう。なぜか。当時（今もだけど）資生堂は日本一の化粧品メーカーで、カネボウはそれより数段落ちると見られてた。そこでカネボウが考えたのは「日本一の資生堂と正面からぶつかるようなCMにすれば、資生堂と正面からぶつかれるような会社であると視聴者は感じるんじゃないか」ということ。カネボウの思惑は見事に当たり、この後、数年のCM合戦で業績を大きく伸ばしたとか何とか。（うろ覚えなので間違ってるかも）

この辺の話は個人でも全く同じで、権威に噛み付いてみせると、それを見てる人はまるで噛み付いている人も同等の権威を持っているように感じがち。何かを積み上げるのは難しくても、その積み上げたものを否定することは誰でもできるんだけどね。飲み屋で贔屓の野球チームの調子が悪い時に監督を馬鹿にしまくってるおっさんが、じゃあ実際に監督してみろよと言われたらできるはずもないのと同じ。

こういうことをテクニックとして使ってるうちはまだいいけど、運が悪いとそういう人を権威と信じたバカが周りに集まってくる。人間は社会的な動物なもんで、そんな状態でしばらくすれば他者からの評価が自己評価と置き換わり、結果できあがるのは自己偏愛ばっかり強くて反省を知らず、周囲の影響力ありそうな人に噛み付くことでしか自分をアピールできないはた迷惑な人間、と、それをおだて上げる取り巻きの集団。そんな集団なら、まぁあれだ、夕立前の蚊柱の方がよっぽど役に立つ。

もーちょっと落ち着いて考えてから発言を見直した方がいいんじゃないかな。ま、このエントリもその類かと思わんでもない。