アイコン救急車
スティーブ・ジョブズ死去。信者なつもりはないけどジョブズが死んだのはやっぱり寂しい。
ジョブズがCEOを辞任したときにGoogle副社長のVicがGoogle+でいい逸話を公開してたので適当訳。Vicはジョブズの体調が相当悪いってことを知ってたのかもね。
https://plus.google.com/u/0/107117483540235115863/posts/gcSStkKxXTw
ある日曜の朝、2008年1月6日だったか、礼拝に参加していると私の携帯が振動を始めた。できるだけ目立たないように携帯をチェックすると「送信者不明」と表示されていたので、ひとまず着信を無視することにした。
礼拝が終わり、家族と共に歩いて車に向いながら携帯のメッセージを確認した。メッセージはスティーブ・ジョブズからだった。「ビック、家にいるから電話してくれるかい?早急に話し合いたいことがあるんだ」
車に到着するのを待つこともなく、すぐにスティーブ・ジョブズに折り返し電話をかけた。私はその時Googleの全てのモバイルアプリケーションを統括していて、立場上、スティーブとは頻繁に連絡をとりあっていた。これは私の仕事上の特権の一つだ。
「やぁ、スティーブ、ビックだが」私は言った。「すぐに返事できなくてすまない。礼拝の最中だったし送信者が不明だったものだから取らなかったんだ。」
スティーブは笑いながら答えた。「ビック、送信者が"神様"とでも表示されていない限り、礼拝の最中に電話は取るべきじゃないよ」
私はぎこちなく笑い返した。なにしろ、平日であればスティーブが何か興奮して電話してくるのはいつものことだが、日曜に電話してきてそのうえ彼の家に電話するように言うのは普通じゃない。どんな重大な話があるんだ?
「それでビック、ついさっき伝えようと思った緊急の要件なんだ。すでにチームのメンバーを一人アサインして君に協力するように伝えているので、明日には直して欲しいと思ってる。」スティーブは言った。
「iPhoneのGoogleロゴを見ていたんだが、アイコンがよくない。Googleの二つ目の"o"の黄色のグラデーションがおかしい。明らかに間違っているので、明日グレッグに直させようと思う。それで構わないかな?」
もちろん構わない。数分後、スティーブからEメールが届いた。タイトルは「アイコン救急車」。Eメールはグレッグ・クリスティーと協力してアイコンを治すように指示してあった。
11歳の頃にApple IIに魅了され、それ以来アップル製品に関する逸話はいくらでも持っている。それは私の何十年かの人生の一部だ。マイクロソフトでビル・ゲイツのために15年間働いていた時ですら、スティーブとアップルの創り上げた製品には賞賛を惜しまなかった。
しかし結局、リーダーシップや情熱、ディテールへの拘りを考えたとき、思い出すのは一月の日曜の朝にスティーブ・ジョブズから受けた一本の電話だ。それは忘れることのできないレッスンだった。CEOはディテールに拘らなければいけない。単なる黄色い影だとしても。たとえ日曜でも。
私が出会った最も偉大なリーダの一人へ、私の祈りと願いは君と共にある。
ー ビック