ぜんぶ、フィデルのせい

前に「パンズ・ラビリンス」を観た時に予告編をやってた「せんぶ、フィデルのせい」が面白そうだったので観てきました。恵比寿ガーデンシネマは水曜日男女ともに1000円なので素晴らしい。が、映画はなんと言うか、フランス映画ってなんであんなに説明が足りないんだろう・・・。


裕福に暮らしてた女の子の両親が共産主義にはまって活動とか始めたせいで生活が一変。以前の生活に戻りたい女の子が弟と一緒にいろいろ引っ掻き回すコメディタッチの映画、を予告編から勝手に想像してたわけですけど、綺麗に裏切られました。ちょっとしたユーモアはいくつもあるけど、基本シリアスなんね。スペインの近代史とかに事前知識ないと正直よく分からんよ。


今まで自分の生活や周囲の人の言動に疑問を持ってなかった女の子が、生活ががらっと変わったことでいろんな考えの人たちと触れ合うことになり、最初は異質なものを全て拒否していたけど、最終的に「みんな違ってていいんだ」とかそんな感じのことを理解するお話、でいいんか?


女の子の疑問はどれも素朴だけど鋭くて聞いてて結構ドキッとするし、デモや選挙結果発表後のパーティのシーンでは女の子視点のローアングルにボリューム高めの喧騒がサラウンドで響いて、主人公の不安や興奮が体感できる。かと思えばデモの機動隊登場は催涙ガス?の向こうに煙るシルエットが巨神兵のようで幻想的。


そんな感じでパーツパーツはいい感じなのに、なにしろ知識も説明も足りないので理解不能。エンディングもフランス映画らしくすごく唐突。もうちょっとだけユーザフレンドリーな映画にならんもんか、と思うけど、やっぱそれもフィデルのせいなんですかね・・・